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アタッシュ盗難事件@メキシコ [海外体験昔話]

                             2011年8月6日UP
  
DSCN2729.JPG1985年から1990年にかけて仕事でメキシコに可也頻繁に(6年間通算で90日弱だが)通っていた頃の話。確かでは無いが事件は1987年の夏のある日だったと思う。
 
メキシコのラジオ局への機器設置工事の仕事が予定より2日ほど早く終り、週末でも有ったので協力会社の社長さん、技術者と小生の3人で帰国前にカンクン旅行に行く事になった。

シェラトンホテル@カンクンの部屋を3人分確保出来たが、行きの飛行機が2人分しか取れなかったので小生のみキャンセル待ちする事になった。飛行機の出発時間は早朝。
 
前夜はラジオ局の皆さんの大歓迎を受け、マリアッチの鳴り響くバーで、パランダ~~~と叫びながら男同士、夜通し飲み歩く事になった。飛行場に出発する時間になっても帰して貰えず困っていたが、何とか3人でその場を脱出しホテルを大慌てでチェックアウトして空港に向かった。
 
DSCN2729.JPG空港では、お二人のチェックインを終え、自分はキャンセル待ちの列に居た。サムソナイトのアタッシュケースは足元で両足の間に挟み、スーツケースを右手に押さえた状態で待っていたと思うが。ふと足元を見ると、数秒前に確認したアタッシュが無い。ヤラレターと足元から熱いものが上がってくる感じがした。
 

幸い、パスポートとカンクン往復の国内線チケット、それにシェラトンのバウチャーはポケットで無事だったが、100万円近くする国際線の切符(東京→メキシコ→ロス→リオ→モンテビデオ→ブエノスアイレス→サンチャゴ→ボゴタ→パナマ→ニューヨーク→東京)、3000$ほどのT/Cと数百$のキャッシュ、クレジットカードが3枚、それに直前のブラジル出張1か月分の未清算の数十万円分の領収書の束がカバンと共に消えた。
 
呆然としていたところ、協力会社の社長さんから声がかかり、「お金持ってますか?」「あ無い、貸してください」、「国内線の離陸まで時間が無いからお二人はゲートに向かって下さい」、「私は事後処理があるので今回は行くのを止めます」とか言う会話を交わしたと思う。
 
DSCN2729.JPG借りたお金で、チェックアウトしたばかりのホテルに戻り、此れまでと同じ部屋に事情を言って入れてもらい、国際電話がかけられるようにしてもらった。東京の妻に電話を入れ、カバンが盗まれたことを話し、クレジットカード会社への盗難届けも依頼した。
 
その後、国際線のチケット発行会社JALのオフィスに行き、事情を話したところ、重要顧客なので再発行してくれると言う。ただし、盗まれた切符が悪用されJALが損害をこうむった場合には損害額を全額保障する旨の書類にサインさせられた。一応、航空券問題はこれで解決。
 
次に、AMEXの事務所に行き、パスポートを見せ事情を話したところ、AMEX東京から私にクレジットカードを再発行するよう依頼をうけていると言う。助かった。日本の夜中に妻に電話をいれてもらって未だ2~3時間もたっていない。そのスピード感には感謝と共に驚いた。

恐る恐る、T/Cも再発行してくれるか?と聞いた所、幾ら欲しいのか? 3000$ほどです。 OKですとの返事があった。AMEXは年間1万円の会費が必要だが、海外に行かれる方には超お勧めです。何とか、切符と活動資金が確保出来、当初の旅程は替えずに仕事ができる。
 
その後、盗難に関して、ラジオ局への機器納品を手伝ってもらったメキシコの会社社長の親父さんに付き添って貰って空港警察へ、事情聴取を受け数ページにわたるスペイン語での盗難事故証明を発行して貰ってホテルに帰った。
 
DSCN2729.JPGその後、メキシコからロスアンゼルスに上りアタシュケースを購入、日本から来る技術者と待ち合わせて、リオ経由ウルグアイのモンテビデオ迄向かう。リオでは乗り継ぎに6時間もあった為、大型荷物を空港に預け、技術者の為タクシーでのリオ半日観光にでた。ポン・デ・アスカーやコパカバーナの海岸、シュラスコ料理店等を回り、夕方の便でモンテビデオに到着した。
 
モンテビデオでは9泊し、放送局での機器納品を終え、技術者の帰国を見送ったあと、南米各地への営業一人旅に向かった。
 
モンテビデオ滞在中にパナマの販売会社社長から連絡があり「貴方のアタッシュケース見つかったけど、こじ開けられて使い物にならない故中身だけメキシコ販社の社長から預かってパナマにもってきている」とのこと。 すかさず、「書類の中で、封筒に入ったブラジルの領収書の束があるか」聞いたところ、「有るとの事」。金目のものだけ抜き取り、カバンは空港近くのホテルのゴミ箱から発見されたとの事でした。
 
ラッキーなことに、JALやAMEX、それに妙な話だがドキュメントには手をつけないと言うメキシコの窃盗団、のおかげで実害はカバン代と数100$のキャッシュ、目覚まし時計や文房具のみの10万円以内の損害で済んだ。
 
パナマでは、それらの書類を受け取り、ニューヨーク経由帰国。


DSCN2729.JPG当時のパナマの社長からは、「中南米では地面に物を置くと捨てたとみなされる」だから「貴重品からは手を離すな」。また防犯上、中南米では「路上で何かを要求されたら全ての要求を呑め。取られて困るものは持ち歩くな。抵抗は死を招く」と言う話を聞いた。
 
帰国後の失敗は、忙しさにかまけ、JALカードの盗難保険の請求を忘れたことだ。事故証明書も手元に有ったのに残念。古い話で今は治安が良くなって居るかも知れませんが、皆様お気をつけ下さいませ。

PS:メキシコシティーの空港で借用したお金は帰国後に社長さんに返したのだが未だに、まだ返して貰っていないとからかわれ続けている。
 


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